日弁連会務報告(大阪弁護士会 会長 森本宏)

大阪弁護士会の会長の仕事は、日弁連の副会長の仕事に半分以上のエネルギーを割かれることになります。4月は最高裁へのあいさつ回りや、慣れない正副会長会議、さらには日弁連の理事会でアッという間に過ぎていきました。特に、今年度は、選択的夫婦別姓の法制化や再審法改正など、喫緊の課題がめじろ押しでした。5月には、共産党、自民党、立憲民主党、公明党、国民民主党、日本維新の会の順番で、6回もの政党朝食会に出席しました。この政党朝食会は、弁政連と日弁連の共同企画ですが、日弁連の役員は朝7時にホテルニューオータニに集合します。30分で朝食をいただき、7時30分から、日弁連からの要請を、各政党の出席議員にお話しします。

この春のテーマは、①法テラスの報酬水準のアップと②国際民事仲裁に対する国の費用補助のお願いでした。

政党朝食会の前日は、私は東京でホテルに泊まらないと、朝7時にホテルに入れませんので、普段は麹町駅付近(四谷のホテルニューオータニに歩いて行ける距離)のホテルに宿泊しています。この春は、麹町駅付近の平河町のホテルの予約ができず、番町のホテルに宿泊することが多かったのですが、番町のホテルに宿泊したときは、徒歩で番町を四谷駅まで歩き、上智大学横の通称ソフィア通りを通ってニューオータニに行きます。

この道は、高校3年生の時に、早稲田大学の受験のために上京した際にも歩きました。親はニューオータニの受験生パックを奮発してくれました。生まれて初めて上京し、四谷駅を降りて、はて、ホテルにはどう行けばよいのか?困ったなと思い、前を歩いていたお兄さんに道を聞きました。

「大学受験のために来たの?どこから来たの?」と尋ねられ、「京都から来た」というと、「京都にもいい大学がいっぱいあるのに」と返されたのですが、答えに窮して黙っていると、「同じ方向に行くので、途中まで一緒に行こう」といって、ソフィア通りを一緒に歩いてくれました。

その通りを歩いている途中で、お兄さんは私に別れを告げるとともに、「この道をまっすぐ行くとホテルはあるよ」と教えてくれて、別れ際に「頑張ってね!」と励まして、建物のある敷地の中に入っていきました。

当時は、その建物が上智大学であることすら知りませんでした。後日、そこが上智大学であることを知り、道を教えてくれたお兄さんはおそらく上智大学の学生さんだったのだろうと思い、以後、上智大学に対して好印象を持つようになりました。

今回は、同じ道を政党朝食会のために何度も歩きましたが、いずれも誰も歩いていないような早朝でした。大学の反対側は、堤になっていて、都会にしては緑が豊富で、朝は鳥のさえずりをたくさん聞くことができました。

「あの時のお兄さんは、今、どうしておられるのかな?」と、早朝の澄んだキリッとした空気を吸いながら、懐かしく思い出していました。

政党朝食会の後、通常国会では、選択的夫婦別姓については、立憲民主党や国民民主党から夫婦別姓の法案提出がなされ、日本維新の会からは通称使用を前提とする法案が提出され、結局いずれも継続審議になりました。また再審法改正についても、再審法議連から法案提出がなされましたが、時間切れで審議入りできないままに通常国会は閉幕し、こちらも継続審議となりました。秋の臨時国会にて継続審議されますが、その間の7月に参議院議員選挙が行われ、政局もどうなるか予断を許さない状況にあります。この秋にも、臨時国会を見据えて、あらためて、政党朝食会が開催される予定です。

2025年8月4日 9時38分